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アイスコーヒーの価格に隠された意外な理由
コンビニでラージサイズのアイスコーヒーを買おうとした時、「ホットコーヒーより高いな」と感じたことはありませんか?
実は、それはラージサイズのアイスコーヒーが特別高いわけではなく、レギュラーサイズのアイスコーヒーが“割安”に設定されているからなのです。
価格設定の背景:コーヒーの輸送と保管コスト
ホットとアイス、カップの違いが価格に影響
コーヒー豆自体はホットもアイスも同じであると仮定した場合、価格差を生むのはカップの扱いにあります。
- ホットコーヒーのカップ:紙製で重ねられるため輸送や保管時に省スペース。
- アイスコーヒーのカップ:氷を入れた状態で提供するため、カップを重ねることができず、大幅にスペースを取ります。
さらに、アイスコーヒーは冷凍庫での保管が必要なため、電気代という追加コストも発生します。
また、冷凍庫のスペースは限られており、コーヒーの在庫を確保することで他の冷凍食品を陳列できなくなる“機会損失”も考慮しなければなりません。

レギュラーサイズのアイスコーヒーが安い理由
例えば、ラージサイズのホットコーヒーが180円、アイスコーヒーが210円だとします。
この価格差は上記の輸送費や保管費を考えると理にかなっています。
しかし、レギュラーサイズのホットとアイスがどちらも120円である場合、なぜ同じ価格なのでしょうか?
- レギュラーサイズは消費者が最も購入しやすいサイズで、価格を比較されやすい商品です。
- 「同じコーヒーなのに価格が違うのはおかしい」と感じる消費者心理に対応するため、あえて同じ価格に設定している可能性があります。
このように、レギュラーサイズのアイスコーヒーは本来の価格よりも割安で提供されているのです。
価格設定の教訓:事業者と消費者が得られるもの
消費者が選ぶべき賢い選択
コーヒーの在庫や価格設定の背景を理解すれば、レギュラーサイズのアイスコーヒーが実は非常にコスパが良い商品であるとわかります。
次回コンビニで購入する際には、ぜひこの視点を持って選んでみてください。
事業者が学ぶべき価格戦略
事業者としては、単に「同じような商品だから同じ価格にする」のではなく、 輸送や保管にかかるコスト、そして消費者心理を踏まえた価格設定が必要です。
もし、自分の事業で価格設定に悩むことがあれば、専門家に相談するのも一つの手です。特に都内の事業者の方であれば、商工会議所などの支援機関が提供する無料の専門家派遣制度を活用することで、実践的なアドバイスを受けられます。
まとめ
コンビニコーヒーの価格の秘密を知ることで、消費者としての賢い選択ができるようになるだけでなく、事業者としても価格設定の重要性を再認識できます。次回、コーヒーを手に取る際には、この知識を思い出してみてください!
この記事を書いた人
山口亨(中小企業診断士) UTAGE総研株式会社 代表取締役
公的支援機関を中心に、長年にわたり中小企業支援に携わる経営コンサルタント。
代表著作に「ガンダムに学ぶ経営学」「ドラクエができれば経営がわかる」がある。