なぜコンビニの2Lのペットボトルの水は500mlより安いのか?

コンビニで2Lのペットボトル水が安い理由

コンビニで水を買うとき、ペットボトルの2Lが500mlよりも安いことに気づくことがあります。
これは一見不思議に思えるかもしれませんが、実はこの価格差には意図的な理由があるのです。実際、価格設定は単なる原価だけで決まるわけではなく、市場や消費者のニーズに基づいた価格戦略が大きく関わっています。

2Lのペットボトル水はなぜ安い?

コンビニで販売されているペットボトル水の中でも、2Lサイズが500mlよりも安くなる理由は、消費者の需要と商品の利便性が大きく影響しています。
まず、2Lのペットボトル水はその大きさから持ち運びにくく、すぐに消費したい人には不便です。
そのため、コンビニでの販売において、2Lサイズの需要は比較的低いのです。

一方、500mlや1Lの水は、手軽に持ち運べてすぐに飲みたいというニーズが強いため、需要が高く、その分価格も高めに設定されています。
つまり、消費者が便利に持ち運びたいと思う小さなサイズの水には、高い利幅が設定されているわけです。

需要と利便性が価格を決める

水の価格は原価だけでなく、消費者の利便性や市場での需要にも大きく依存しています。
例えば、2Lの水は重くて持ち運びに不便なので、その需要は限定的です。
そのため、コンビニでは2Lの水を安く提供することで、価格競争を維持しつつ、ある程度の利益を確保しています。

一方で、500mlや1Lの水は携帯性が高く、特に外出時や急な水分補給が必要な場合には非常に便利です。
そのため、こうしたサイズはコンビニでよく売れる商品であり、利便性に対する価格が反映されています。

消費者は水を買う際、その利便性にお金を支払っていると言えるでしょう。

競合との比較と市場戦略

さらに、2Lの水はスーパーやディスカウントストアなどで安価に手に入ることが多いため、コンビニで販売される2Lサイズが500mlや1Lサイズと同じように高い価格設定では売れません。
もしコンビニが2Lの水に高い利幅を設定してしまった場合、消費者はスーパーで買うことを選ぶでしょう。
このため、2Lの水はあえて低価格に設定され、コンビニならではの即時性や便利さが重視されます。

消費者が払う価格は水そのものだけでなく利便性

実際、消費者が支払っている価格は、単なる水の価格だけではありません。
例えば500mlや1Lの水はすぐに手に入れられ、外出先でも持ち運べる便利さがあるため、消費者はそれに対して少し高めの価格を支払うことに納得しています。
一方、2Lの水は持ち運びに不便であるため、その利便性に欠ける分、価格が安く設定されているのです。

このように、ペットボトル水の価格は「水そのもの」だけでなく、「どれくらい持ち運びやすいか」や「すぐに買えるか」という利便性の要素が大きく影響しています。
消費者が支払うのは、商品の内容に加えてその便利さや即時性、そして手軽さに対するコストなのです。

まとめ

ペットボトル水の価格設定には、原価だけでなく、消費者の利便性や市場の需要に基づく価格戦略が隠されています。
コンビニで2Lの水が500mlよりも安い理由は、消費者が求める利便性を反映させた価格戦略によるものであり、価格は単なる原価積み上げだけでなく、消費者が得られる便益を考慮して決められているのです。

価格決定においては、原価だけを積み上げるのではなく、消費者が得る利便性や市場競争を意識することが重要です。
もし自分で価格戦略を決めるのが難しいと感じた場合は、商工会議所などで提供される専門家派遣制度を活用することで、より効果的な価格設定ができるようになります。


この記事を書いた人
UTAGE総研株式会社 代表取締役
公的支援機関を中心に、長年にわたり中小企業支援に携わる経営コンサルタント。
代表著作に「ガンダムに学ぶ経営学」「ドラクエができれば経営がわかる」がある。

 

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