かつて、ロードサイドには多くの結婚式場が立ち並んでいました。
しかし、現在では葬儀場を目にする機会が増えていることに気づきませんか?
これは単なる偶然ではなく、市場環境の変化を反映したものです。
時代とともに人々のライフスタイルや価値観が変わり、それに伴いビジネスのニーズも変化します。
こうした市場の変化を敏感に察知し、適切に対応できる企業が生き残るのです。
目次
市場環境の変化に対応する重要性
ビジネスの成功は市場のニーズに左右される
どんなに優れたビジネスモデルであっても、市場のニーズが減少してしまえば存続が難しくなります。
逆に、ニーズが高まっている市場へとシフトできれば、新たな成長のチャンスを得られるのです。
例えば、30年前は結婚式場の需要が高く、特に若者人口の増加とともに成長しました。
しかし、少子高齢化が進む現在では、結婚式場の需要は縮小し、代わって葬儀場の需要が増えています。
この変化に対応できた企業は、持続的な成長を遂げているのです。
実際の市場変化をビジネスに活かす
ニーズが減少する市場への固執はリスク
結婚式場の数が減少し、葬儀場が増えているのは、市場のニーズの変化に対応した結果です。
もしも結婚式場の運営に固執し続けていたとしたら、経営が厳しくなっていたかもしれません。
このように、市場の変化を無視していると、ビジネスの存続そのものが危うくなる可能性があります。
新たな需要に応じたビジネス展開の例
市場の変化を敏感に察知し、新たな需要に応じたビジネスへシフトした例は他にもあります。
- カメラ業界:フィルムカメラからデジタルカメラ、そしてスマートフォンのカメラ機能へのシフト
- レンタルビデオ店:DVDレンタルから動画配信サービスへの転換
- オフィス市場:従来のオフィス賃貸から、リモートワーク対応のシェアオフィスの拡大
このように、時代のニーズを捉え、柔軟にビジネスを進化させることが成功への鍵となります。
これからのビジネス変革に向けて
固執せず、新たなチャンスを模索する
市場環境が変わり続ける中、同じビジネスモデルに固執し続けることはリスクとなり得ます。
企業は常に市場を分析し、新たなチャンスを模索する姿勢が求められます。
専門家の支援を活用する
「市場変化に適応したいけれど、何から始めればいいか分からない」という方もいるかもしれません。
そのような場合、商工会議所や中小企業支援機関を活用するのも一つの方法です。
特に都内の事業者であれば、無料の専門家派遣制度を利用できることもあります。
市場環境の変化に対応し、ビジネスを成長させるための第一歩として、こうした支援制度を活用するのも有効です。
まとめ
市場環境の変化は避けられないものですが、それをチャンスと捉え、柔軟にビジネスモデルを進化させることで、持続的な成長を実現できます。
現在のビジネスモデルが今後も通用するのか、市場のニーズはどのように変化しているのかを見極めながら、新たな戦略を立てていきましょう。
この記事を書いた人
山口亨(中小企業診断士) UTAGE総研株式会社 代表取締役
公的支援機関を中心に、長年にわたり中小企業支援に携わる経営コンサルタント。
代表著作に「ガンダムに学ぶ経営学」「ドラクエができれば経営がわかる」がある。