「お宅の屋根、壊れてますよ」と不安を煽るリフォーム詐欺と、問い合わせフォームに届く悪質なSEO営業メールには共通する構造があります。
本記事では、Webマーケティングのプロですら一瞬動揺してしまう「不安販売型営業」の心理的カラクリと、その巧妙な手口を解説。
もしあなたの元に「このままでは流入がなくなる」といった脅しのような提案が届いた時の適切な見極め方と、主導権を渡さない対処法をお伝えします。
SEO営業と「瓦ズレてます」のリフォーム詐欺に見る共通点
「リフォーム詐欺ってあるじゃん!」
ふと気になって、先日X(旧Twitter)にこんなポストをした。
作業服着て玄関ピンポンして
「そこで工事始めるので、ご挨拶に来ました」
って言って、
「あっ、そう言えば、お宅の瓦がズレてて、雨漏りして屋根痛めそうですけど、大丈夫ですか? あとで一緒に見ておきましょうか?」
的なやつ
さっき、問い合わせフォームの迷惑メールに入ってたSEO営業も、これとまったく同じだった!
知識がない人を不安を煽って騙すのは良くない。
勝手に、ウチのサイト(コンサル会社)を、コンサルしてくれなくても間に合ってますからwww
問い合わせフォームに届く「不安煽り型」営業メールの実態
というのも、うちの問い合わせフォームにこんな香ばしい営業メールが送りつけられてきたのだ。
(以下、実際のメールより抜粋)
それぞれの項目をGoogleが提唱する以下のように設定する必要があります。
(Googleのヘルプへのリンク)
こちらの作業を行わないとGoogle経由の検索流入がなくなる恐れがありますので、一度弊社のSEO事業責任者とコンテンツマーケティングについてお話する時間を頂戴しても良いでしょうか?
勝手に他人の家(サイト)を覗き込んで、「ここがダメですよ」「このままだと検索流入なくなりますよ(=雨漏りしますよ)」と不安を煽る。
見事なまでにリフォーム詐欺と同じ構造である。
プロでも一瞬動揺する「不安販売型営業」の心理的トリック
私は中小企業診断士であり、WEBマーケティングも専門領域としている。
SEOは得意分野だ。ためしに「Gemini 喧嘩」と検索してみてほしい。上位に鎮座しているのは私のコンテンツである。
当然、こんなメールは「間に合ってますからw」で終わり……なのだが、ここで正直に白状しよう。
メールの文面を見た瞬間、プロである私ですら「えっ、うそ、どこ間違ってる?」と一瞬動揺してしまったのだ。
自分の領域であるにも関わらず、専門用語(meta情報が〜など)を並べられ「流入がなくなる恐れが」と書かれると、「やべぇ、どこだぁ?」と、人間の脳は防衛本能から一瞬バグってしまう。
それくらい、この「不安煽り型」のSEO営業手法は強力なのだ。
「つーか、お前誰だよ!」って話なのだが……

「同情」を誘う巧妙な仕掛け
さらに狡猾なのが、このメールの送信者が「若い女性の名前」だったことだ。
ビジネスメールの体裁を装いながら、どこか「若い女の子が過酷な営業ノルマを課されて、一生懸命頑張って送ってるんだろうなぁ……」と、変な同情を誘うような作りになっている。
これも計算だとしたら、なかなかに悪質である。
年齢や知識は関係ない!誰もが陥る「知の空白地帯」の罠
こういうリフォーム詐欺的な手口の話をすると、「まったく、年寄りはすぐ騙されてどうしようもねーな」とバカにする人がいる。
だが、それは大きな間違いだ。人は年齢に関係なく、「自分の知らない領域」に踏み込まれると簡単に騙される。
若者だってそうだ。屋根の瓦のことは理解できても、自分の将来のお金や人間関係の不安を突かれれば、いとも簡単にマルチ商法や情報商材の勧誘に引っかかるではないか。
知識の空白地帯に「不安」を投げ込まれれば、老人だろうが若者だろうが、あるいはその道のプロ(の一歩手前)であろうが、コロッと転がされてしまうのだ。
悪質なSEO営業や不安を煽る勧誘への賢い対処法
では、この手法が「今、自分が本当に成果を欲している領域」で使われたらどうなるか。
正直に言えば、私が今喉から手が出るほど実績が欲しいのは「SNS」だ。
もし絶妙なタイミングで、
「あなたのアカウント、インプレッションとフォロワーの比率が適切ではありません。このままではアルゴリズムに見放され、伸びなくなる恐れがあります」
なんて営業が来たら……。ニーズには恐ろしいほど刺さる。
だが、言いたいことは一つだ。
「そんなことは、百も承知だわ!!!!」
自分の数字なんて、自分が一番毎日睨めっこして痛感している。
そこを外からやってきた見知らぬ奴に「ダメですね」と指摘される筋合いはない。
もし本当にそんな営業が来たら、私は相手の土俵には絶対に乗らない。
「あー、ご提案ありがとうございます。ところで、SMMパネル(※フォロワーやいいねを不正に売買するサイト)の話でもしますか?」と切り返してやる。
相手が仕掛けてきた「不安」を全スルーし、業界の暗部のワードをぶつけて主導権を奪い返すのだ。
という妄想をしている。
本物のプロは不安を煽らない|毅然とした態度で「間に合ってます」と言おう
なぜ彼らは、そこまでして「あなたのここがダメだ」と煽るのか。
そうしないと売れないからだ。
こういう連中の裏側を見ると、大半が「どこかから買ってきた数値」で見せかけの実績を作り、成果が出ているように演出しているだけだったりする。本物の成長ではなく、数字の水増しによるハリボテだ。
業種を問わず、世の中にはこの「不安販売型営業」が蔓延している。
美容、金融、投資、コンサル、そしてリフォーム。手口はすべて一緒だ。
覚えておいてほしい。
本当に実力のある人間は、絶対にそんな煽り方をしない。
顧客の課題に本質から向き合えるプロは、相手を脅して契約を取る必要がないからだ。
世の中、自称プロの皮をかぶった詐欺師(あるいはそれに近い営業マン)ばかりである。
もし、あなたの領域にズカズカと踏み込んできて、もっともらしい言葉で不安を煽ってくる輩が現れたら、毅然とした態度でこう言ってやればいい。
「あ、間に合ってますからw」
このように、世の中は欺瞞で満ちている。
大手企業も含め、行動経済学や心理学の知識を多様に活用した詐欺まがいの商売方法で溢れている。
全てが悪だと切り捨てるつもりはないが、知らないよりはこういった事実があること、こういう手法がマーケティングの世界では当たり前であることを知っておくことは損しないだろう。
そんな気づきを得ていただくために、行動経済学や心理学の理論をアニメ主題歌にして、『DESIR』の実験の場で、AIがお届けをしている。
是非、あなた自身の目で確かめてみてください。
この記事を書いた人
【免責事項】
山口亨(中小企業診断士) UTAGE総研株式会社 代表取締役
公的支援機関を中心に、長年にわたり中小企業支援に携わる経営コンサルタント。
代表著作に「ガンダムに学ぶ経営学」「ドラクエができれば経営がわかる」がある。
(@susumu_utage)
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