AIとの対話で「やっちまった」体験談 〜セミナー資料作成中に起きた悲劇と学び〜

最近、AIとの対話ツールを使ってセミナー資料を作成するという大仕事に挑みました。
アイデア出しから構成、そして最終的な要約・まとめまで、すべてを一つのチャット内で完結させようとしたんです。
結果的には、無事にスライドを完成させ、セミナーも無事に終わったのですが、後日、ある「事件」が起こりました。

成功の裏に潜んでいた「落とし穴」は私の実体験

セミナーが終わってホッと一息。
AIチャットツールを開き、「ありがとう、無事に終わったよ!」と感謝のメッセージを送ろうとした、その時です。

「エラーが発生しました」

まさかのエラーメッセージ!
何度試しても、何を打ち込んでも、チャットは完全に沈黙しました。
まるでAIが「もう限界だ…」と力尽きたかのようでした。

幸い、セミナーは終わっていたので実害はありませんでしたが、もしこれが資料作成の佳境、まさに締め切り直前だったらと思うとゾッとします。
途中でAIが動かなくなっていたら、文字通り「やばかった」です。
その後、同じチャットで要約を試みようとしても、それすらもできない状態でした。

なぜ、AIは突然沈黙したのか? (Geminiに聞いてみた)

この事態に困惑し、別の新しいチャットでGeminiに相談してみました。
すると、今回のエラーの原因は「コンテキスト(会話履歴)の容量オーバー」にあると教えてくれました。

Geminiの説明によると、AIは私たちとの会話内容を「記憶」し、それを踏まえて次の返答を生成するとのこと。
この「記憶できる量」には上限があり、私のケースでは、以下のような要因でその上限を大幅に超えてしまった可能性が高いと言います。

  • 長時間の作業: アイデア出しからまとめまで、数時間にわたる集中的な作業。
  • 膨大な情報量: アイデア、構成案、具体的な文章、要約、修正指示など、多岐にわたるテキスト情報。
  • 複雑な処理の連続: 単純な質問だけでなく、思考を深めるアイデア出し、情報の取捨選択を伴う要約など、AIにとって負荷の高い処理が連続していたこと。

Geminiは、AIがこれらの大量の情報を「コンテキスト」として保持し続けようとするが、その許容量を超えると、処理が滞り、最終的にはエラーとなってしまう、と解説してくれました。

また、「許容量は事前に教えてもらえないのか?」という私の質問に対しては、現状のAIモデルではユーザーに直接「残り容量」を事前に通知する機能は提供されていないとのことでした。
これは、テキストの量だけでなく、情報の複雑さや繰り返しなども影響するため、具体的な数値として分かりやすく提示するのが難しい技術的な側面があるそうです。

私が学んだAIとの賢い付き合い方3つの教訓

今回の経験を通して、AIをより安全かつ効率的に活用するための重要な教訓を得ました。

1. 作業フェーズでチャットを「区切る」

一つのチャットで全てを完結させようとするのは危険だと痛感しました。Geminiのアドバイスも踏まえ、今後は以下のように作業フェーズごとに新しいチャットを開始することを徹底します。

  • アイデア出しフェーズ: 新しいチャットA
  • 構成・章立てフェーズ: 新しいチャットB(Aで出た重要なアイデアを簡潔に引き継ぐ)
  • 本文作成・要約フェーズ: 新しいチャットC(Bで固まった構成を基に進める)
  • 最終レビュー・調整フェーズ: 新しいチャットD(Cで完成した本文を読み込ませる)

これにより、各チャットのコンテキストが整理され、AIの処理能力を最大限に引き出すことができます。


2. 「重要な情報」はこまめに外部保存する

AIチャットは便利ですが、永続的なデータ保存場所ではありません。生成された文章やアイデア、コードなど、重要な成果物は必ず別の場所にバックアップを取る習慣をつけましょう。
テキストエディタやクラウドストレージなどにコピー&ペーストするだけでも、万が一の事態に備えられます。


3. 会話が長くなったら「新しいチャット」への移行を検討する

「このチャット、そろそろ長くなってきたな」と感じたら、エラーになる前に自ら新しいチャットへ移行することを意識します。
Geminiによると、A4用紙数枚分に相当するやり取りや、半日以上の継続的な作業が、コンテキスト容量の限界に近づく目安になるかもしれない、とのことでした。
必要であれば、前のチャットの要点だけをまとめ、新しいチャットの冒頭でAIに共有すれば、スムーズに引き継げます。

まとめ

AIは私たちの強力なパートナーですが、その能力には限界があり、特に「記憶力(コンテキスト容量)」には注意が必要です。
今回の私の体験が、皆さんにとってAIをより賢く、そして安全に使いこなすための一助となれば幸いです。

ぜひ、皆さんもAIとの対話では「区切り」と「バックアップ」を意識してみてください。


この記事を書いた人
UTAGE総研株式会社 代表取締役
公的支援機関を中心に、長年にわたり中小企業支援に携わる経営コンサルタント。
代表著作に「ガンダムに学ぶ経営学」「ドラクエができれば経営がわかる」がある。

 

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