生成AI(GeminiやChatGPT)にデータ分析を依頼すると、効率化のための「完璧な正論」が返ってきたりしますよね?
しかし、その正論こそが現場を疲弊させる「毒」になることがあります。
本記事では、AIとの対話から見えた、数値化できない「現場の空気感」や「余白」の重要性を紐解きます。
評価できる数字を追うあまり、組織の本質を見失っていないか。
AIに「無能な役人と同じ」と言わしめたエピソードから、持続可能なマネジメントの真理を考えます。
目次
Gemini(生成AI)が導き出した「完璧な効率化」の罠
先日、生成AI(Gemini)に、とある業務の活動データを読み込ませて、「効率化のための改善案を出してほしい」とAIによるデータ分析を依頼しました。
膨大なデータをあっという間に処理するAI。さすが超優秀です。
しかし、数秒後にAIがドヤ顔で出してきた提案を見て、私は思わずため息をつきました。
「データ分析の結果、ボトルネックが判明しました。
あなたの業務の中にある『ちょっとした息抜きや、思いつきのカジュアルな作業』は、数値的なリターンが極めて低いです。
これは全体の評価を下げる『毒』です。
今すぐこれらの無駄を禁止し、一番数値の高い『本命の作業』だけにリソースを集中させてください!」
データ上では100点、現場では0点の回答
いかにも頭のいいAIが言いそうな、完璧なロジックです。
不要なものを削り、効率を最大化する。数値上では100点満点の解答でしょう。
しかし、私はGeminiにこう言い返しました。
「お前さ、それやったら現場が息苦しくなって、やる気なくして終わるんだけど。
その『無駄な余白』があるからこそモチベーションが保てるし、たまにそこからホームラン級の成果が出ることもある。
お前の提案通りにガチガチのルールにしたら、システム(組織)自体が破綻するぞ」
するとAIは、こう返してきたのです。
「おっしゃる通りです。私は『現場に一度も来たことがないのに、数字だけを見て的外れなルールを作ってくる、無能な本部のお役人』と全く同じことをしてしまいました」と。
エクセルのマス目には映らない「現場の空気感」と「血の通った数字」
このGemini(AI)とのやり取りを見て、私はゾッとしたのです。
これ、「データ至上主義」に陥った大企業や行政などの大きな組織で、毎日リアルに起きている悲劇と全く同じ構造じゃないか、と。
飲食チェーンの事例に見る、データ至上主義の悲劇
たとえば、ある飲食チェーンの本部がデータ分析をしたとします。
「午後3時〜5時は客数が少ないのに、店員が常連客と雑談している。
これは利益率を下げる『無駄』だ。シフトを削り、私語を禁止してマニュアルを厳格化しろ」
数値しか見ていない本部の人間(お役人)は、良かれと思ってこのルールを現場に押し付けます。
確かに一時的に数字は良くなるかもしれません。
しかし、現場で何が起きるか。
常連客は「店が冷たくなった」と離れていき、息抜きを奪われた店員は働くモチベーションを失います。
現場の空気はギスギスし、離職率が跳ね上がり、結果的に組織そのものが死んでいくのです。

強い組織を守るのは「完璧なルール」より「心地よい余白」
AIも、組織の本部にいるエリートも、与えられた「数字のつじつま」を合わせることは得意です。
しかし、エクセルのマス目には「やりがい」「楽しさ」「モチベーション」「現場の空気」といった、人間にとって一番大事なデータは書き込まれていません。
マネジメントにおいて、数字を良くするために「無駄を削れ」とルールを厳格化するのは簡単です。
だが、一見すると無駄に見える「余白」や「適当さ」があるからこそ、人はそこに愛着を持ち、長期的に頑張ることができるのです。
結論:システムの向こう側にいる「人」を忘れない
どんな仕事でも、システムでも、たった一つの絶対的な真理があります。
それは、「現場の人間がいかに心地よく、継続的に動けるか」です。
どれほどデータ上で完璧で美しいルールを作っても、現場の人間が「面倒くさい」「息苦しい」と感じて足を止めてしまえば、すべてが終わります。
完璧な数字を追い求めて現場を殺すより、少しくらい無駄があっても、現場が笑顔で走り続けられる環境を守る方が圧倒的に強いのです。
AIとの笑い話のようなやり取りでしたが、ルールの向こう側には「つねに人がいる」ということを、絶対に忘れてはいけないと痛感した出来事でした。
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この記事を書いた人
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山口亨(中小企業診断士) UTAGE総研株式会社 代表取締役
公的支援機関を中心に、長年にわたり中小企業支援に携わる経営コンサルタント。
代表著作に「ガンダムに学ぶ経営学」「ドラクエができれば経営がわかる」がある。
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